【報告】千葉市芸術文化新人賞受賞者展「牧田愛 Moving」

1月18日~2月5日、千葉市芸術文化新人賞受賞者展「牧田愛 Moving」開催しました。

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《∈》、油彩・布・スチレンボード・木、2016年

牧田愛さんは、千葉市中央区に生まれ、転居を重ねてきましたが、近年まで千葉市内にアトリエを構え制作していました。牧田さんは無機的な金属を使って生命感や動きのある有機的な世界を画面上で表現することに挑戦し続けています。その作品は国内外で高く評価されており、平成26年には第13回千葉市芸術文化新人賞奨励賞を受賞、続けて岡本太郎現代芸術賞にも入選しています。

牧田さんの作品は、クロムメッキやアルミといった光り輝く金属モチーフを写真撮影し、パソコン上で組み合わせていくことで、有機的なイメージを作り上げていきます。そして、そのイメージをキャンバスに転写し、油彩で緻密に描き作品を完成させるという独自の技法を、主な制作スタイルとしてきました。そして、現在はさらにその先の表現方法を積極的に模索し続けています。

今回の展覧会タイトル「Moving」には、こうした常に新しいスタイルを探求してきた牧田さん自身の変遷の意味が込められています。今回は展示室ごとに「過去(第1展示室)」「現在(第3展示室)」「未来(第2展示室)」とテーマを決め、作家のこれまでとこれからの表現をご紹介しました。

第1展示室には、宇宙に息づく生命をイメージした油彩8点の作品が並びました。未知の生物、惑星、背景の宇宙空間のように見えるものは、実はすべてバイクの車体や部品の煌めきを撮影したものからイメージを合成して油彩で描かれています。一つの鉄の塊から広大な宇宙の魅力を見出す作品には、牧田さんの表現に通底している細部への観察力と豊かに広がるイメージがよく表れています。

第3展示室は、≪Layers≫(層、重なり)という、プリントに油彩を一部施した12点組の作品と、不定形の油彩の作品で構成されました。この一連の作品郡はすべて、≪Layers≫(12点組)の左端一番上の作品を構成する要素の一つです。牧田さんはこれまで、撮影した金属の写真をパソコン上で重ねる→融合させてイメージを一つに統合する→油彩で描くという工程で制作していました。しかし、一度その手順を見直し、写真のパーツ同士を完全に融合(コラージュ)させることなく、写真と写真の重なり(レイヤー)、あるいはそのレイヤーの分解を通して、存在感のある表現に挑戦しています。

第2展示室の≪Moving≫は、金属パーツのコラージュ・油彩画での表現から完全に離れ、人間の視覚効果を大いに用いることで、有機的な世界を表現しようとした作品です。じっくり鑑賞していると、人間の視覚の特異性(目の錯覚)により、作品が目の中で立体的・動的に見えてくるよう、画面には繊細な工夫が施されています。「絵画」という動かないメディアで、生命的・動的な表現ができないか?という牧田さんの挑戦的な今後の展開が示唆された作品でした。

牧田さんは、今年2月から渡米し、滞在制作をスタートさせています。今後、より一層世界で活躍していく牧田さんですが、人生の原点は千葉にあると語っていました。これからのさらなる活躍を千葉の皆さんと見守っていけたら何よりです。

*展覧会は終了しましたが、平成29年2月8日~28日までロビーにて牧田さんの宇宙をテーマにした作品4点をご紹介しています。ぜひご覧ください。

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